この作品を説明するには刑法第三十九条を説明しなくてはいけません。刑法第三十九条とは「心身喪失者の行為はこれを罰しない。心身耗弱者の行為はその刑を減刑する」といった内容です。猟奇的夫婦殺害事件が発生し、指紋と、その場に落ちていた演劇のチケットから犯人を劇団員の柴田真樹を逮捕、裁判に挑みます。しかし裁判中に、おかしな事を言い、弁護士は司法精神鑑定を依頼します。この担当になったのが藤代と助手の香深です。二人が何度も鑑定をしている間、ついに柴田の二重人格が出て、香深の首を絞めるのでした。裁判の結果、刑法第三十九条が適用されそうになりますが、香深は柴田に首を絞められたときに殺意を感じなかったことから、これは偽者と考え再鑑定の鑑定人として調べを開始します。実は、この柴田は子供の頃に殺人を犯しているが刑法第三十九条により刑にならなかったという事も知ります。この事件は中学生で妹思いの工藤啓輔の妹を殺害、暴行、更に手を切り取り自宅に持ち帰り、それで自慰行為をしたという事件である。香深は工藤を訪ねますが、全てを忘れたいということで何も話してくれません。ある裁判で香深は賭けにでます。先ず、裁判官たちに手紙を渡し、それを後で見るように指示します。そして柴田の精神鑑定を始めます。支離滅裂な事を言う柴田、そして二重人格が出てペンで香深を刺そうとします。話が終わり先ほどの手紙を開くと今起きた内容が書かれています。そう、明らかに二重人格を意識した回答だったのです。また、殺人の時には二重人格で左利きになっていましたが、今ペンを握ったのは利き手の右手・・・そう、全て嘘だったのです。そして柴田が白状します。俺は柴田ではなく、工藤啓輔だと・・・そう、妹を殺された啓輔は大人になり、彼女と柴田の入院している病院を訪ねますが、柴田は入院後僅か2ヶ月で退院していたのです。これにショックを受けた啓輔は、自分も刑法第三十九条に該当する裁判結果を出し、刑法第三十九条の信憑性を訴えたかったのではないでしょうか?
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